ファイナンシャルプランナー3級を一発合格した卯野ハンナです。
勉強だけに打ち込める立場ではない方が資格取得を考えるとき、その資格はどのくらいの勉強時間で、どのくらいの難易度で取得できるものなのか気になりますよね。
私も個人事業主として本業をもち、家事や子育ての間のスキマ時間で勉強して試験に挑みました。
↓ この記事でお伝えする内容
- FP3級の難易度はどのくらい?
- 筆者が取り組んだFP3級取得のための勉強時間や期間
- 集中できる時間があれば言うことなし!でもスキマ時間でも十分に独学で一発合格ねらえる
- 勉強の不得意な筆者と比べることで、独学でも合格できそうって思えます
↓ 実際に私が用意した勉強アイテム
- 市販のテキスト1冊
- 市販の問題集1冊
- 無料のスマホアプリ3個~4個
- FP協会の過去問を公式サイトからダウンロード
特に私は昔から勉強は苦手でしたので、私と比べることで『ハンナが合格するくらいだから、難易度は高くない、やってみよう!』と思っていただけたら嬉しいです。
FP3級の難易度はどのくらい?
きんざい・日本FP協会の過去の試験結果データからみる難易度
きんざいと日本FP協会の合格率のデータからもFP3級試験の難易度は高くありません。
FP3級には『学科試験』と『実技試験』がありますが、結局は両方ともペーパーテストです。
きんざいと、日本FP協会の最近の3年分(2017年1月~2019年9月分まで)の学科試験の合格率データを棒グラフにしてみました。
※きんざい・日本FP協会公式サイトの試験結果データを加工
学科試験に関してはきんざいと日本FP協会は同じ問題を使っています。
同じ問題にもかかわらずこれだけ違いがでるのは、それぞれの受験者のタイプの違いによるものが関係しているのではないかと言われています。
間をとったとして、学科試験の合格率は65%~79%くらいです。
この結果から国家資格の難易度として易しい試験であることがわかります。
FP3級と日商簿記3級ではどちらが取得しやすいか?
日商簿記の3級も取得しています。両方取得した身からすると、簿記3級の方が難しかったです。
私が簿記3級を取得したときは結婚後で、子供が生まれる前です。今よりも時間があった時期でしたが、苦戦した記憶があります。
日商簿記3級の合格率データ↓
合格者データからもわかります。FP3級の合格率が65%以上なのに対し、簿記3級は高くて56%、低い年は20%台があるくらいです。
元から数字が並んでいるのを見るのを苦痛に感じない方は、損益計算書や貸借対照表などで数字がそろうとこの上ない達成感があり、楽しい資格でもあります。
しかし実際に勉強して思うことは、実生活で使う機会がある人はすくないのかもしれない・・・と思うところです。
仕事で使う方は別として、損益計算書や貸借対照表は自営業者なら知っていて損はありませんが、それ以外の方でしたら作成する機会がないので、取得するならそのために勉強することになります。
次に体験談を含めて書きますが、FP3級は実生活に役立つ知識が多いため、勉強をする際はなんとなく理解できる内容も多いはずです。
この理由から、FP3級と日商簿記3級ならFP3級の方が取得しやすい資格と言えます。
FP3級は生活に役立つ、親しみやすい資格である理由
出題される項目は6つ、ただ聞きなれない専用用語を使っているだけです。
自分の生活に置き換えれば、親しみやすい勉強内容だから、きっと楽しく感じるはず
出題される項目は以下の6つです
- ライフプランニングと資金計画
- リスクマネジメント
- 金融資産運用
- タックスプランニング
- 不動産
- 相続・事業継承
専門的な言葉で書かれていますが、実は自分の身近に関係することばかりです。
私は6項目のうち5項目は身近に感じる部分で、試験勉強も楽しかったです。私の体験を交えて書きます。
ライフプランニングと資金計画
特に家庭を気づいている方なら避けては通れない今後のお金についてです。
まず「家を買うお金」「子供を育てるのに必要なお金」「老後の生活をするためのお金」の事を3大必要資産と呼び、事前に資金を準備するための計画を考える・・・・
具体的な方法を試しているかは別として、みんな考えていることですよね。
『ライフプランニング』とか『キャッシュフロー表』とか言われると、「え、なにそれおいしいの?」となります。私です(苦笑)
ですが、自分の現状から今後の人生の中で、いつごろ、どのくらいの金額が必要で、その準備を始めるのはこの辺・・・、子供の受験がここで重なって・・・ローンの完全返済がいつで、といった事を視覚的にわかりやすくしていく作業です。
これがFPの立場だと、計画を立てるためにいくつかの係数を使って計算することになります。
ですから、ここを勉強すると非常に今後の人生設計で役立ちます!
何事も計画通りにはいかないのが人生ですが、計画変更も修正も見通しがつきやすいはずです。
私がこのFP3級を取得したのは夫が他界した後で、これからどうしよう・・・と悩む日々に勉強をはじめたので、大いに役立っています。
リスクマネジメント
大きくは『保険』についてです。
万が一のためにどんな公的支援があって、どんな保険に入っていると安心できるかです。
ここも生きていく中で、何かしらの保険に入っている方は多いはずです。
保険なんて商品がいっぱいありすぎてわからないよー(涙)と思っていましたが、ここを勉強することでわかることは多いです。
私の場合は
- 自分の現状を知ることで、家庭に必要な保険はどれかがわかる
- 保険に入りすぎて保険貧乏になっている
- 実は必要な保険に入っていなかったと気づく
ということがわかりました。
この他、保険の知識が多少ついたおかげで『保険屋さんが新商品の説明に来る回数が減った・・・』と感じています。気のせいかな・・・?
金融資産運用
学ぶことは景気の指標や、インフレとデフレについてや、株式・債券・投資信託など、金融商品についてです。
私の資産運用の種類↓
NISAで投資信託
ウェルスナビ
株主優待目的で株を所有
外貨建て保険
投資信託は積み立てで運用しています。毎月500円から利用できるものもあるので、合計で考えると少額です。
半分はFP3級取得前から運用しています。
アラサー、アラフォーくらいになると、資産運用を始める人も多いはず。
こういった方はこの項目はよりわかりやすく感じるはずです。金融商品のセーフティーネットや関連法規も学べるので、ますます投資に関する知識が増えます。
タックスプランニング
おもに所得税など、税金についてです。
私、現在自営業です。毎年青色申告に確定申告を申請しています。
会社員の方でも、医療費控除の申請や、不動産をお持ちの方は不動産所得を申告しているはずです。
全く確定申告をする機会がない方には難しく感じる項目かもしれませんが、毎年何かしら申告している人はより理解が深まる内容です。
不動産
不動産の登記、土地の価格、鑑定評価の方法などについてです。
ここは私が一番不得意なところです。理由は接点を見つけられなかったから。固定資産税ぐらいはわかりましたが、それ以外は一番勉強しました。
相続・事業継承
- 法定相続人とは
- 相続の承認と法規
- 指定相続分&法定相続分
- 遺言書について
- 遺留分
人は絶対に死を迎えます。これこそ知っていて損のない項目です。
私、夫も父も他界しておりますので、この内容もすんなりつながりました(苦笑)
FP3級の実技試験の内容
『実技試験』と言っても結局はペーパーテストです。
あらかじめ決められた世帯のモデルケースがあり、この世帯の状況を把握し、問いに答えるだけです。
Aさんが加入している生命保険の補償内容に関する記述の空欄(1)にあてはまる金額として、正しいものはどれか。なお保険契約は・・・・
といった感じで決められたモデルがあり、問題によって必要な資料として、保険証券、キャッシュフロー表、親族関係図などが書かれています。
その資料の内容を読み取り、質問の答えを記入していきます。
実技試験の実態を知るまでは、実技試験用の問題を手に入れたのはいいですが、「これをもとに何をしろというの???」と困惑していました。
私、介護福祉士の資格も持っていまして、介護福祉士の実技試験はRPGそのもので、介護を必要とする方がいて、介護をする側がいて(受験者)、審査をする方がいます。
FP3級の実技というからには『お客様へのご説明が適切なのか』や『お客様に安心してもらえるような接客態度なのか』といったことを想像してしまいました(苦笑)
ですがそんなことはなく、ただの実技試験用のペーパーテストを解くだけでした。
ペーパーテストだと思えば気が楽です(笑)
実技試験の種類と、選択のポイント
実技試験は3種類、どれも全体の6割正解すれば合格という難易度の高くはない問題です。
学科試験↓
金融財政事情研究会(きんざい)と日本FP協会は全く同じ問題です。
マークシート形式で、時間は120分。
合格基準は60点満点で36点以上。
実技試験↓
実技試験 | きんざい | 日本FP協会 |
---|---|---|
試験時間 | 60分 | 60分 |
合格基準 | 6割以上 | 6割以上 |
出題形式 | 実例5題 | マークシート |
出題科目 | ・個人資産相談業務 ・保険顧客資産相談業務 | 資産設計提案業務 |
実技試験はきんざいから2種類、日本FP協会から1種類と、実技試験には3種類の問題があります。
まず、きんざいか日本FP協会かを選び、きんざいを選択した場合は実技試験の『個人資産相談業務』か『保険顧客資産相談業務』のどちらか1つを選択します。
どれを選んでも学科と実技両方を基準点以上正解すれば、合格証書の書式にちがいはありますが、どちらも資格の価値は同じです。
どれを選ぶのが得策かというよりは、どの分野をより深く学びたいかや、感覚的な好みや、試験会場までの利便性などで決めてもよいくらいの難易度はやさしいです。
私は田舎に住んでおり、試験会場の場所の問題で、FP協会で試験を受けました。
市販の問題集も3種類の実技すべてに対応しているものが多いので、きんざいの問題も解きましたが、若干きんざいの方がひねった問題が出るように感じるものの、そこまで難易度の違いは感じませんでした。
ちなみに、最近の実技試験の合格率↓
きんざい | 2019.5 | 2019.1 | 2018.9 | 2018.5 | 2018.1 |
---|---|---|---|---|---|
個人資産相談業務 | 54.35% | 56.21% | 51.46% | 71.20% | 67.13% |
保険顧客資産相談業務 | 44.85% | 39.32% | 34.32% | 35.69% | 42.98% |
日本FP協会 | 2019.5 | 2019.1 | 2018.9 | 2018.5 | 2018.1 |
---|---|---|---|---|---|
資産設計提案業務 | 86.42% | 83.38% | 86.50% | 90.47% | 89.07% |
※きんざいと日本FP協会の試験結果データより加工
これを見ると、きんざいの実技試験ってすごく難しいんじゃないの??と不安に思われるかもしれません。
ですが、実技試験には違いがあるものの、学科試験に関しては全く同じ問題が使われています。
そして同じ問題を使っていても合格率に差が出ています。
学科試験の合格率↓
学科試験 | 2019.5 | 2019.1 | 2018.9 | 2018.5 | 2018.1 |
---|---|---|---|---|---|
きんざい | 42.76% | 51.91% | 61.64% | 57.84% | 65.34% |
日本FP協会 | 69.07% | 74.09% | 78.63% | 78.92% | 80.33% |
※きんざいと日本FP協会の試験結果データより加工
この結果をふまえると、一概にきんざいの方がすごく難しいとは言えないでしょう。
実技試験の対策は過去問を解くのが1番!
実技試験は60分です。時間を計って過去問を解き練習し、とにかく問題に慣れることが1番です。
私もひたすら過去問を解いて感覚をつかみました。
何度も解くうちに問題の傾向が理解しやすくなります。たまにひっかけ問題があるので、要注意ですよ(苦笑)
これはFP3級の知識をえるための勉強法というよりは、試験に合格するための勉強法だということです。
FP3級の資格を取得するのにかかる期間や時間はどのくらい?
自分で受験した結果を考えると、トータルの時間は120時間ほどです。
期間は1ヵ月、一日の勉強時間は短くて2時間、多くても6時間勉強の末、勉強に慣れない私でも合格できました。
ここからは資格取得に縁遠い私の体験談をふまえてお話しします。
FP3級試験の1ヵ月半前から真剣に勉強に取り組みました。
ちなみに使用したテキストはこちらです。
このテキストについては、FP3級を独学で一発合格!おすすめテキストはどれ?で詳しく書いています。
FP3級試験まで残り2週間というところで、過去問のできが常に9割にとどくようになったので、ペースダウン。
実質真剣に勉強した期間は1ヵ月となりました。
テキストの他に利用したもの
- 無料のスマホアプリ3個~4個
- FP協会の過去問を公式サイトからダウンロード
仕事や家事のスキマ時間だけでも合格できる?
集中できる時間があれば言うことなし!でもスキマ時間でも十分一発合格可能です
社会人になれば多くの人は仕事の合間だったり、家事や育児の合間だったり、勉強だけに集中できる人というのはまれです。
私も同じく本業があり、家事もしながらスキマ時間に勉強をして合格できました。
私の勉強方法はこちら↓
- 教科書を2回読む
- 教科書の基本問題をセクションごとに解く
- 問題集の問題をひたすらとく
- 過去の本試験問題を時間を計って解く
以上です。
これは購入した上記の「みんなが欲しかった!FP3級の教科書」に載っていた方法なんです!
教科書でざっと流れをつかめば、あとはひたすら問題を解いて、問題に慣れるようにしました。
ここはFP3級の内容が頭に入るというよりは、テストで点を取るための方法ですね。
過去問1回分を、時間を計って解くのは、採点も含め2時間くらい必要になりますが、あとの勉強は20分~30分できたスキマ時間でひたすら読んだり、過去問を解いたりしていました。
「テキストの音読」はとても私にあう勉強法で、家に1人の時は常に声を出して読みました。
スマホアプリなら5分の待ち時間でも過去問が解けるので便利でしたよ。
アプリは「FP3級 問題」で検索するとたくさん出てきます。
アプリはどれもそんなに差はなかったので、3~4つくらいダウンロードして使いました。
独学で一発合格といっても個人の力量にもよるでしょ、心配だわ・・・
たまに『勉強なしで一発合格できたよ』という内容をネットで目にするので、勉強できる人は違うわね・・・と思うかもしれませんが、私と比べてください(苦笑)
独学で一発合格きっと大丈夫です!
子供のころから勉強嫌いで赤点オンパレード、勉強するのが嫌で進学しなかった身です、私。
FP3級以外に人に言える資格は介護福祉士と日商簿記3級くらいかな・・・(汗)
そんな私でも合格できたので、コツコツ勉強する時間さえ確保できれば合格できる資格と言ってよいのではないでしょうか。
私の場合は普段学習することに慣れておらず、まず勉強の脳に切り替えるまでに時間がかかりました💦
勉強モードに切りかえられれば、FP3級は広く浅くといった知識で通るので勉強も楽しく進められると思います。
勉強って本当は楽しいものなんですよね。でも子供のころは気づきませんでした。
最後に
FP3級を取得するために要する時間の目安を書かせていただきました。
保険関係や金融関係のお仕事をされている場合、積極的に職場から資格取得を促される場合もあるようですね。
また、2級をチャレンジする際は、FP業務に関し2年以上の実務経験が必要になるので、実務経験者以外は3級をとばすことができません。
※3級をとばすという手が全くないわけではありませんが、ここでは割愛させていただきます。
FP3級は今までお話ししたように取得しやすい資格ですから、ぜひチャレンジしていただきたいです!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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